日本人女性がかかるがんで最も多いのが「乳がん」です。
発症は40代から50代の女性に多いですが、近年では若い女性にも増えてきています。
がんの初期は自覚症状がなく、自分で気づくのが難しいと言われています。
そんな中で、外見の特徴として「ほくろ」の多さが、がんにかかりやすいかを見分ける目安となるかもしれないという研究結果が発表されました。
ほくろが多い女性は乳がんのリスクが高い
ほくろの数と乳がんの発症リスクについては、アメリカとフランスでそれぞれ研究結果が
発表されています。
アメリカでの研究は、7万4,523人の女性看護師を対象として、左腕の3ミリ以上のほくろの個数を自己申告してもらった上で24年間追跡調査を行ったものです。
この結果、ほくろの個数が15個以上の女性は、ほくろがない女性と比べ、乳がんを発症するリスクが1.35倍高くなりました。
フランスでは、8万9,902人の女性を対象に、ほくろの数の多さを「なし」「少ない」「多い」に分けた上で18年間追跡調査を行いました。
こちらも「多い」女性は、「なし」の女性と比べ乳がんのリスクが1.13倍高くなっていました。
どちらの調査によっても、ほくろの多い女性は、ほくろのない女性と比べて乳がんになるリスクが高くなっていることがわかります。
ほくろと乳がんの関係は?
どうしてほくろの多さと乳がんの発症率に関係があるのでしょうか?
それは、女性ホルモンの体内レベルと関係があるのではないかと考えられています。
これまでにわかっている、乳がんにかかりやすい女性の要因として以下のようなものが挙げられています。
・初潮の年齢が早い(11歳以下)
・初産の年齢が30歳以上、もしくは出産経験がない
・閉経年齢が遅い(55歳以上)
これらはいずれも女性ホルモンと関係が深いことがらです。
これらと同様にほくろの数の多さも、女性ホルモンの量と関係があるのではないかと考えられています。
例えば、女性ホルモンが増加する妊娠中には、ほくろがふえたり大きくなったりする女性も多いことがわかっています。
ほくろはあくまでも目安!リスクを避ける生活を
勘違いしてはいけないのは、「ほくろが多いことが乳がんを引き起こす原因になる」という意味ではないというところです。
乳がんもほくろも女性ホルモンの影響を受けるため、「ほくろが多い女性は乳がんになるリスクが高い」という話です。
ほくろの多い女性は、ほくろが少ない女性よりも乳がんのリスクが高いということを自覚して、特に定期健診などをしっかりと受けるようにしたいですね。
また、お酒や睡眠不足によっても乳がんのリスクが高まることがわかっていますので、こうした要因をできるだけ避けるように心がけるのが大切です。